レッサーパンダの威嚇を見たことはあるだろうか?
両手両足をピンと伸ばし、身体を大きく見せる。当の本人(本パンダ)は威嚇のつもりだろうけど、これがまあ、可愛い。とんでもなくキュートで、ファンシーで、パステルだ。愛おしい。いますぐ抱きしめたいくらいに。
これはまぁ威嚇の失敗例としても、多くの動物は、威嚇するとき身体を大きく見せる。
さて。
以前ボクは「ビッグシルエットの服を着たい」という記事を書いた。
ざっくりと要約すれば、「ビッグシルエットへの憧れが抑えきれないから、この夏はビッグシルエットしか着ないぞ」という内容だ。
あれからちゃんと、約束は守っている。仕事でスーツを着るときを除けば、例外なくビッグシルエットを着ている。
毎日鏡に映る自分が新鮮だ。コンプレックスの薄くて細い胴体が隠れてくれるからなのか、心なしか、身体も大きく見える。
…身体が…大きく見える…?
………。
もしかして、これは人間流の威嚇なのでは??
薄くて細い身体がなぜコンプレックスかといえば、その理由はただ1つ。
- 「弱そう」
- 「折れそう」
- 「女々しそう」
の3「そう」が揃っているからだ。ごめんなさい3つありました。
それらを克服することにより、人は
- 「強そう」
- 「たくましそう」
- 「男らしそう」
の3「そう」を手に入れることができる。
克服するには、身体を大きく見せるしかない。そう考えると、ビッグシルエットを着ることは、強い男に見せるための威嚇の手段と捉えられないだろうか??
これは恐ろしいことに気づいてしまった。
Googleで「ビッグシルエット威嚇」を検索しても、なにひとつヒットしない。
ビッグシルエットが威嚇であることに気づいているのは、現時点では世界中でボクだけということだ。
なんということだ。
なんだか急に恥ずかしくなってきた。
ボクは威嚇して歩いていたのか?ここTokyo Cityで?
「自分が周りを威嚇している」という自負。それがこんなにも恥ずかしいものだとは。
いやァそんなに大した男じゃないんですよ…すみません…折ってください…。
しかし縮こまってスマホを取り出し、ビッグシルエットについてもう少し調べてみると、どうにもおかしなことに気がついた。
「今年のビッグTかわいい〜♡」
「彼氏のビッグTでおそろコーデ♡」
「いかつい彼にはビッグTが一番♡」
………。
およそ「威嚇」とは無縁の字面が並んでいる。いかつい彼に至っては、自分を弱く見せているではないか。
これは、どういうことだ…?
いや、
辿り着く結論はただひとつ。
「威嚇、失敗しとるやんけ」
ここで話は、冒頭のレッサーパンダまで遡る。
https://youtu.be/bYQA8FBWb_s