エッセイ

血を抜かれて、身体がおかしくなったのだけど…。

情けない話だが、大学生の頃に意気揚々と献血に行き、血を抜かれて気が遠のいたことがある。

ベツドに寝かされたまま救急措置をとられ、一緒に来ていた友人に付き添われた。なんとも恥ずかしい思い出だ。…案外すぐに回復したのが、余計恥ずかしかった。おまえ元気やんけ、と。

思えば、あれがきっかけだったのだろう。

ボクは血を抜かれることに抵抗がある。

また気が遠のいたらどうしよう、という抗いようのない不安だ。また付き添われたらどうしよう。

…とはいえ、血を抜かれる機会なんて、人生においてそうそうない。
献血はあれ以来行っていないし、大きな怪我もしていない。

 

血を抜かれることなんてない。

ただ毎年の、健康診断を除いては。

正直に言えば、行きたくない。血を抜かれるのは嫌だ。

でも、せっかく会社のお金で健康診断ができるのなら…とも考える。実際ボクは不健康な極みのような生活をしているし、どう考えてもこれは、

 

行くべきだろう、健康診断。

 

かくしてボクは、小瓶3本分の血液を抜かれた。

………

それから、ずっと頭が痛い。

あたまがいたい。

柔らかい飯を噛むだけで、脳髄をハンマーで叩かれたような痛みが走る。

なんだこれは…こんなの初めてだ。

たまらず頭痛薬を飲み、様子を見る。しかし、一向に痛みの引く気配はない。

この状態が、かれこれ7時間ほど。痛すぎて少し、くらくらする。

ううう…。

頼むぜ、引いてくれよ痛み…おお、いたたたたた。明日までに治らなかったら病院行こ。…結局お金かかるのかよ。

-エッセイ

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