エッセイ

【独白】ボクはなぜボーッとしてしまうのか。

子供の頃、よく「ボーッとするな」と言われた。そしてその度に「別にボーッとしてないんだけどなぁ」と思い続けてきた。口を開けていることが多かったが、それは鼻が詰まっているからで、決してポカンとしているわけではなかった。必死に呼吸をしていたのだ。それなのに大人は口を揃えて言う。「ボーッとするな。口を閉じろ。」

それでも最近になって、「自分は他人よりもボーッとした人間なのかもしれない」と思い始めた。

 

例えばシャワーを浴びている時、ご飯を食べている時、ときには職場でさえ、「あ、いまボーッとしてたな」と思うことが増えた。

 

「ボーッとしていたな」と思うのは決まって「その時間、自分が何をしていたのか分からなかった時」だ。

 

気がついたら髪が洗われていたり、味噌汁が無くなっていたり、上司に怒られたりしている。しかしその結果が、自分の生み出したものとは到底思えない。なんせその間の記憶がすっぽり抜け落ちているのだ。仮眠を取っていたのかと疑うくらいに。綺麗サッパリ、時間が切り取られているのである。

 

あぁ、これが子供の頃から言われている「ボーッ」の正体か。…24歳を手前にして、ようやく気付くことが出来た。

 

素直に、なんとかしなければいけないと思う。このままでは社会生活に支障をきたす(もうきたしているとも言えるが)。どうすれば「ボーッと」せずにいられるのだろう。少なくとも、この文章を書いている間は、ボーッとしなかったと思うのだけれど。

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