チップスター

「チップスター、好きなんだよね。」

彼はそう言って、それをカゴに放り込んだ。宅飲みへ向かう道中、ふたりとも既に酔っていた。結局開けずに、わけの分からぬまま次の日になった。

残されたボクとチップスター。学生の頃はノーブランドの、安いやつしか買えなかった。宅飲みの度に必ず買い、そればかり食べる友人がいた。何度食べたか分からないあの味。目を閉じれば学生時代のワンルームが目に浮かぶ、青春の味だ。

残されたボクのチップスター。腹の足しにはちょっと多い。いそいそと齧ったものの、学生時代のあの味と、なにが違うのか分からない。そりゃあそうだ。当時は食べるよりも喋るのに夢中で、味なんか覚えちゃいないのだから。

ひとりで食べるもんじゃないな、とつぶやいて、僕は次の一枚に手を伸ばす。初めて美味しいと思えた。

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