こんにちは。クリープハイプ展にバンドマンと行ったバンドマンです。
元カノが、クリープハイプのファンだった。もっと平たく言うと、よくいる邦ロック好きの女の子だった。
「俺たちバンド始めて10年、あのとき観客として眺めていたこのステージに、いまこうして立っています!!!!」
みたいなMCで泣いちゃうタイプの、どこにでもいる普通の女の子だった。
クリープハイプのファンは大きく二つに分かれると思っていて、そういう女の子か、売れないバンドマンかだ。そして売れないバンドマンは、得てしてそういう女の子と付き合う。そしてこっぴどくフラれて、劣化版クリープハイプみたいな曲を作る。この輪廻から外れるのは不可能であり、頑張って外れたとしても、ちっぽけなホームページで毎日くだらないブログを投稿するのがオチである。
https://www.youtube.com/watch?v=fePqoZNQJTk
話が逸れた。クリープハイプのすべ展に彼女と行ったバンドマン、全員死にたくなった説。というタイトルだった。
展内では部屋ごとに決まった楽曲が流れており、それをモチーフにした展示が施されていた。例えば、
イノチミジカシコイセヨオトメ
愛の標識
寝癖
といった具合。ふざけ倒した展示から、真面目な思いを綴った展示まで、クリープハイプというバンドの「バランスの良さ」がよく出ていた。
展内では、女が写真を撮り倒し、前髪の長い男がやるせなく佇んでいる、という構図が多く見られた。あのとき彼は何を思っていたのだろうか。あのときアサヒの500ml缶を渡したら、友達になれただろうか。
彼女がメジャーバンドに夢中になっている時のあの気持ち。あれだけはバンドマンの特権だ。苦虫を噛み潰したようなあの感情が、展内には充満していた。
「俺もいつか、これやりてえ。」
口には出さずとも、おでこに書いてある。前髪で隠れて見えないが、僕にはわかる。だって僕も、そう思っていたから。
一緒に行ったバンドマンとは、終始無言に近い状態で回った。お互いに言いたいことはわかっていて、それでも核心に触れようとはしなかった。でないと、どうにかなってしまいそうだった。
https://www.youtube.com/watch?v=3UKs2i8dX5M
クリープハイプの思うつぼだ。これからも聴いちゃうんだろうな。あぁ悔しい。