エッセイ

今日もまた、ご冥福をお祈りします。

悪いことは、重なる。

昨日の京アニ火災の悲しみも癒えぬ間に、今日は大学の先輩であるHさんの死を知らされた。

 

3つ年上のHさんは、特殊な事情によりボクと同じ学年だった。しかし何故かサークルにはずっと昔からいたらしく、大学とはかくも特殊な事情があるのだなあと驚かされ、18歳のボクの目に、Hさんはとても新鮮な人間として映った。

 

Hさんは音楽とサークルと噂話をこよなく愛していて、だからなのか自然に、ボクとHさんは親しくなった。大学に入るまで「先輩」という存在に対して持っていた苦手意識は、Hさんが軽々と吹き飛ばしてくれた。Hさんは同級生のように(実際同級生ではあったわけだが)フランクで、その反面、誰かが真剣に悩んでいるときは、人生の先輩として真剣にアドバイスをくれた。

 

悩み相談は、大抵、居酒屋で行われた。飲みの席において、彼の話は、とかく長かった。悩みが解決したかと言えば、正直、解決しないことの方が多かった。でもボクは、それが分かっていて、Hさんになにもかもを相談していた。学業のことも、恋愛のことも、そして将来のことも。今思えばボクは、悩みを解決したかったのではなく、Hさんと話したいだけだったのかもしれない。

 

そんなHさんが亡くなった。まだ信じられない。

仙台の国分町に行けば、ディズニーストアの前でスマホを弄っているのではないか、そう思ってしまう。

 

でも、そこに彼はいない。

 

ボクがまだ彼の死を受け入れられないのは、きっとあのLINEのせいだ。

 

つい3週間ほど前、突然HさんからLINEが来た。「久しぶり!」と元気そうな口調で書いてある。連絡を貰うのは1年以上ぶりだった。

内容は「ブログ読んだよ」とのことで、「教員の彼女と同棲したら、働き方が過酷すぎた話。」という記事を、えらく褒めてもらった。

 

こんなことを書いていいものか···彼は「記事に共感できる」と言っていた。

 

 

いわく、彼自身、教員の彼女がいる、と。

 

 

いわく、その彼女がボクのブログ記事通りの働き方をしており、とても心配である、と。

 

 

いわく、彼女のために俺にできることは何だろうか、と。

 

 

いわく、

 

 

結婚を考えていると。

 

 

つくづく、悪いことは重なる。

 

あと何十年かしたら、また飲みに行きましょうね。そのときはまた、たらふく長い話を間かせてください。

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