何がボクをここまで突き動かしているのか分からないが、最近インテリアに凝っている。
一週間単位で、部屋の趣が変わっている。模様替えしてみたり、ちょっとしたものを買ってみたり。最近はAmazonで本棚を買った。3000円くらいの、腹あたりまでの小さなやつ。これがまあ、びっくりするくらい部屋の雰囲気に合わない。
右を見れば、北欧ミュージシャンのプライベートスタジオ。左を見れば、文学青年のリビング。6畳ちょっとの部屋に、相反する二つの要素が入り混じってしまった。宗教戦争はこうして始まるのであり、やがて文明は滅び、埼玉県は更地と化すであろう。
なんとかせねばならない。ボクの小さな部屋が発端となって、名も知らぬ埼玉県民の幸せを奪うことなど、あって良いはずがない。
物事を解決するためには、原因を突き止める必要がある。さあ、何が原因なのか。
そんなもの、決まっている。本棚だ。あの本棚が悪いのだ。
3000円くらいの、小さな本棚。君があまりに和風なのがいけない。というかパソコンの画面で見たときは、モダンな外国のショーディスプレイのようだったじゃないか君。それこそアイキャッチ画像のようになると思っていたよ。
これを実際組み立てて、本などを入れてみると、ああ、なんてことだ。これは昭和だ。昭和の大学生の下宿だ。父の部屋に、タイムスリップしてしまったかのようだ。
…いやいや、もっと考えろ。なぜ、昭和の大学生風になってしまったのか。そこまで考えろ。
そうとも、あの本棚自体は、悪くないかもしれない。…と言うより、せっかく3000円も出したのだから、あれを否定するのは忍びない。
………。
本を、詰め込み過ぎか…?
よくよく見れば、端から端までみっちりと詰まった本。本。本。しかもボクは大抵の本を中古で買うため、どれもこれも少し、汚い。紙は白とは言い難い色をしているし、カバーもくたびれている。
つまり。
なんということだ。
本棚に、本を入れたのが、間違いだったのか。
パラドックス。
これはパラドックスだ。
新書を買え?欲しい本はBOOKOFFで安く買える…
本を仕舞って雑貨を飾れ?本をどこに仕舞えばいい…
仕舞う本を絞れ?選ばれなかった本はどうなる…
待て、落ち着け。そもそも部屋の半分ずつは、悪くない。北欧ミュージシャンゾーンと、文学青年ゾーン。それぞれは良い味を出している。
ということは、そもそも。そもそもだ。
音楽と文学は、相性が悪いのか?
それは色んな意味で重すぎる問題として、ボクに降りかかるのだった。え?こんな終わり方するの、この記事。