エッセイ

告白します。

争いが苦手だ。

人を殴ったことがない。人に殴られたこともない。争いを避けて生きてきたからだ。

人の悪意が苦手で、小学生の頃はからかわれるとすぐ泣いていた。同級生にくりくりの坊主頭を指差され、ボーズ頭!と笑われただけでエンエンと泣いた。おかげで「彦穂にちょっかいを出すな」という空気が周りに流れ、子供心にそれを察知しては悔しくてまた泣いた。そうやって泣いている自分が情けなくて、涙は止まることなく流れ続けた。

…そんな様子の、異常に気の弱い子供だった。その調子で中学生までは、ちょっとしたショックですぐに泣いていた。反抗期が来ると母親に「クソババア!」と叫び、しかしながら母親に悪口を言った自分が情けなくて泣いた。表面上は反抗していても、心の底では猛烈にビクビクしていた。臆病で、小心者で、どうしようもなく弱かった。

 

だから、友人と喧嘩をした覚えがない。喧嘩の仲裁もしたことがない。最初にも書いたように、争い事は避けてきた。弱い自分は、争いになったら絶対に勝てないと分かっていた。

だったら最初から争わなければ良い。負けるが勝ち。逃げるが勝ち。それが月岡少年の処世術だった。

 

そう、子供の頃は、それでよかった。

 

しかし今になって、それでは生きていけないと痛感している。

 

というのも、

 

「自分と違う考えの人間に、自分の意見を言えない」

 

これが、争いを避けてきた月岡少年に発症した、致命的な弱点だ。…口論ができない!

 

当然のことだが、集団で仕事をしていると多くの人とぶつかり合う。様々な考えの大人が一堂に介して、意見が一致することの方が稀だ。相手の言い分も分かるが、ここは自分を押し通したい!そう思うことが多々ある。…皆様もそうではないでしょうか?

でも、ボクは言えない。うまく言えない。その結果、相手に飲まれ、自分の意見を喉の奥に閉じ込めてしまう。しまいには、何か言いたそうなボクを見て「なんだこいつ不満そうだな」と、お互いに不満が溜まっていく。

 

…そんなことが、最近多い。というか多過ぎる。

 

で、流石にアホらしくなってきた。

 

争いを避けている場合じゃない。というか、争いを避けていい歳じゃねえよ、もう。戦えクソボーズ!

 

多少ケガしてでも、関係にヒビが入っても、言いたいことは言わないと。ストレスが溜まって仕方がないし、なんなら仕事上もよろしくない。

そして何より、論争が起きないように相手に合わせてヘラヘラしている自分、大嫌い。それを自覚するまでに、24年間かかってしまった。

 

まだ間に合う。自分を変えるのには、まだ間に合う。

でもギリギリだ。たぶんおじさんになったら無理だ。考え方が凝り固まったからでは、遅いのだ。

 

だから20代の前半である今のうちに、意識の大改革を断行する。

 

強くあれ。強くあれ月岡彦穂。戦え。戦え。

 

まずは筋トレから始めよう。え?違う?

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