ユーモア

とてつもなく眠かった日のこと

髪を切った日。さっぱりした頭の男は、その足で電車を乗り継いだ。向かう先はニトリ。冬物の品定めをするも、ちょうどいいサイズがない。結局その場でポチることにした。

昼過ぎ。帰宅。ソファに座る。いつも11時に起きる男は、この日美容院に合わせて8時に起きていた。

疲れていたのだろう。というか、疲れが溜まっていたのだろう。男はそのまま眠ってしまった。

気が付くと夜中の7時を過ぎており、30分後の友人との飲み会を思い出した男は、慌ててしたくを始めた。

乾杯しても、頭がぼーっとして言葉が出ない。なにもしたくなかった。今日は音楽もブログもなしなし。難しいこと考えるの、ぜんぶやーめたっ。

友人と別れて家に帰る。ソファにダイブし…男はそのまま12時間眠り続けた。昼寝もしたのに。彼はどれだけ眠れば気が済むのだろう。

翌朝。男は絶望感と開き直りがミックスされた顔で、服を脱いだ。美容院で顔に布をかけられたとき、男は一度死んでいたのだ。そうでもないと、昨日の進捗がない理由が説明できない。シャワーをいつもより強めに出して、短くなった髪に押し当てた。

風呂から上がったゾンビは、コーヒーを淹れ、PCをつける。ニトリから発送日のメールが届いていて、ゾンビは自分が死んでいなかったことを思い出した。

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