エッセイ

散髪(前編)

ボサボサの髪は、人と会っていない証拠。

少なくともボクはそうだ。自宅と職場の往復。空いた時間はブログに作曲…。可愛い女の子に会う予定もないので、すっかり外見に無頓着になってしまった。妖怪のような見た目になってしまった。

日に日にスーツが似合わなくなっている。スーツってのは短髪の方が似合うように、わざと設計してあるんじゃないかと思うほどに。社会人は社会人らしい見た目でいろということか。だとしたらひどく滑稽で、狡猾だ。

行かなきゃ行かなきゃとは思っていても、どうにも美容院に足が向かない。伸ばし始めてすでに3か月が経っており、気が付けば朝のセットも、しなくなっていた。

…これではいかん。鏡に映る妖怪を見て、ボクはスマホアプリを立ち上げた。

-エッセイ

© 2023 タメになってたまるかマガジン Powered by AFFINGER5