エッセイ

夜の散歩とセブンイレブン

深夜にふと、散歩がしたくなる時がある。

それは悲しくて眠れない夜や、映画を観た夜などに湧きあがる感情で、一度抱いたら最後、抗わずにはいられない。簡単な服に着替え、スリッパをつっかけて部屋を出る。

 

うちの近所にはセブンイレブンがある。

これが学生の頃にはなかった。24時間営業のスーパーはあったものの、コンビニとスーパーとでは天と地ほどの差がある。

スーパーは生活のための店であり、コンビニは娯楽のための店だからだ。

 

第一に値段が高い。パッと目につくものを比べても

  • 120円のビールが150円
  • 50円のコロッケが100円
  • 100円のパンが120円

これだけで合計100円も変わってくる。追加でアイスが買える。しかし追加でアイスを買うよりも遥かに満足度の高い「クオリティ」と「面白さ」が、コンビニには取り揃えてある。

第二に狭い。所狭しとモノが並んでおり、さながら宝石箱のようである。しかもコンビニはモノの移り変わりが激しく、一月前にはなかったモノだらけ、なんてことは日常茶飯事だ。

 

時代の最先端を突っ走り続ける、小さな宝箱。僕にとってコンビニとはそういう場所だ。

 

だから夜の散歩は、コンビニに行きたくなる。何かを求めて、セブンイレブンに吸い込まれる。結局何かを買ってしまうのだが、後悔したことは一度もない。近くて便利、セブンイレブン。

-エッセイ

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