エッセイ

どんな顔して。

夜が寒くない、というだけで、こんなにも「春」だとは。

仙台にいた頃は、原付に乗っていたため、厚着をせざるを得なかった。分厚い手袋に、モコモコのマフラー。着膨れという言葉では足りないくらいのコートに包まって、それでもガチガチに震えて帰路を急いだ。

 

今はどうだ。東京。電車通勤。車内でのマフラーは暑い。ボクはいつのまにか、マフラーをすることをやめた。

電車を降りても、そこまで寒くない。寒かったのは、原付に乗っていたからだ。もう寒くない。ここは寒くないんだ。

 

久しぶりに、春という季節が来るのかもしれない。どんな顔して会えばいいのか、ちょっともう分からないな。

-エッセイ

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