子供の頃、確かにクリスマスは25日だった。
朝起きると枕元に赤と緑の小包が置いてあり、両親に見て見てと自慢した。印象的だったのは英語のクリスマスカード。筆記体で書かれたそれを見て、サンタはいるのだと確信したものだ。(ボクの母親は高校の英語教師だった)
枕元にプレゼントが置かれなくなったのはいつからだろう。定かではないが、それを境に25日に価値はなくなった。子供の頃は「クリスマス=枕元にプレゼントが置かれる日」だったからだ。
オトナになった今、どうもクリスマス本番は24日という風潮を感じてならない。クリスマスに価値を見出すのは朝ではなく夜で、クリスマス当日に向かう夜、つまり前日であるイブの夜に盛り上がるのがベターである、と。
オトナ達はディナーを楽しみ、恋人や家族と特別な時間を過ごす。若い夫婦は子供を寝かしつけ、押し入れの奥に閉まってあるプレゼントを出してそっと子供部屋に忍び込む。「早寝しない子にサンタさんは来ないのよ。」
25日は与えられるクリスマスで、24日は与えるクリスマスだ。
綺麗な物を与えてくれたオトナに、いつになったらなれるのだろう。
2018.12.28