エッセイ

浴衣の女性

東京に来ている。

朝から2本の仕事を終わらせ、次の仕事までの空き時間に入った喫茶店で、スマホでこれを書いている。

左隣では、30代に見える痩身の男性が、不機嫌そうにPCを叩いており、右隣には今、浴衣姿の若い女性2人組が座ったところだ。

彼女らはにこやかに笑いながら、子供の頃クラスメイトに手首を蹴られ、脱臼してプランプランになったのだと談笑している。

笑顔が素敵な2人組だ。

 

これくらいの温度感で文章が書けるようになったのは、「毎日更新」を辞めたから。最近は、そう感じている。

好きで書き始めたはずのブログを、いつしか「ノルマ」のように感じ始め、気がついたら「負担」になっていた。

あれ、最近文章書くの楽しくないな?と思い始めたのがいつだったのか、そしてその気持ちに蓋をしたのがいつだったのか、ハッキリとは思い出せないが、そのタイミングがあったこと、その事実だけはよく覚えている。

ブログの毎日更新を辞めるかどうかは、結局のところ、プライドとの闘いだったように思う。「辞めた自分を許せるか」が僕の中の基準で、そこに折り合いを付けるために「YouTubeを頑張る」という免罪符を作り出した。結果として、2020年の元日から毎日更新はストップし、YouTubeに力を入れ、その試みはそこそこ成功した。

 

正解だった、のだと思う。当時の選択は。

 

YouTubeは本当に楽しい。ブログも楽しかったが、YouTubeはブログよりも反響があって、それがきっと励みになっているのだろう。

クリエイターの行動原理は「反響」だ。「芸術性の昇華」とか、そんなキレイな理由ではない。もちろんそちらがゼロとは言わないが、99%は「反響」だ。

現に「反響」が得られないクリエイターから消えていく。売れないバンドマンが消えるのは、音楽性の違いなんかではない。ただ単に、誰にも見てもらえない現実に耐えきれないからだ。

YouTubeは、僕の今までの活動の中で一番反響がある。この先に何があるのか、まだ到達していない場所へ行ってみたい気持ちが強いから、YouTubeはまだまだ続けていくと思う。

 

そしてYouTubeを頑張りながら、たまにこうしてブログを更新できる今の環境が、割と僕は気に入っている。

やっぱり僕は文章を書くのが好きだ。その気持ちを再確認できたのは、「毎日更新」を辞めたことの思わぬ副産物だった。

現状、このブログはビジネス感を持たせず、ゆるゆると好きなことを書いていこうと思っている。

更新は「書きたいとき」にしよう。

いいじゃないか、それくらい肩の力を抜いたコンテンツがあっても。

 

隣の2人組は「最近母親から『あなたは望まない子だった』と言われた」と談笑している。

そして僕がトイレに行って帰ってくると、「絶対お前とはセックスしないからな」と話している。この1分で何が?

笑顔が素敵な2人組だ。東京はたまに来ると面白い。

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