どうやら男は、海上での事故が原因で何かトラウマを作ったらしい。
そうなると、その事故とやらの詳細を探る必要がある。
「ずばり遭難ですか?」
「Yes」
「ほかに船上員はいましたか?
「Yes」
「その事故で、死者は出ましたか?」
「Yes」
掘れば掘るほど、事故の全貌が見えてくる。なるほど、きっとそこに、ウミガメの姿があったのだろう。
「遭難中、ウミガメを食べましたか?」
「No」
「遭難中、ウミガメに助けられましたか?」
「No」
…え?
ウミガメは遭難中に登場していない。それでは自殺する理由が見当たらないではないか。ここまで引っ張っておいて、まさか事故は関係ないのか…?
唸る我々に、ゲームマスターから最後のヒントが出た。
「どうやって食糧難をしのいだと思う?」
…もしも食料が現地調達できたなら、死者など出なかったはず。つまり少なくとも、食料の豊富な現場ではなかった。極限状態で、生き残った者たちは何を食べていたのか…それは、
「男は、ヒトを、食べましたか?」
「Yes!!!!!!」
…繋がった。
つまり筋書きはこうだ。
「男は遭難時、『ウミガメのスープ』と説明されたモノを食べて難をしのいだ。が、それは実のところヒトの肉を使ったスープで、男はそうと知らずに食べていた。…大陸に戻った後も、男は命を繋いでくれたスープの味をずっと覚えていた。そしてたまたま入ったレストランでそれを見つけ、注文した。しかし、それは本物のウミガメのスープだったため、あのときの味とは違っていた。男は船上で自分が何を食べていたのかを悟り、耐えきれなくなって自殺した。」
…「ウミガメのスープ」というクイズは、その性質上、双方向のコミュニケーションが大事になる。友人は、「非常にツイキャス向けのゲームである。」と言っていた。
まったくもってその通りだと思う。ゲームマスターも解答者も、皆がのめり込むようにツイキャスに参加し、皆が愉快な思いをした。…正解者は、それはそれは気持ちよかったのではないだろうか。
実はこのようなクイズは、ネット上に無数に存在している。これからはたまに、自分のツイキャスでこの手のゲームで遊んでみようかな、と思っている。
そのときは是非あなたも…そう、あなただ。あなたも解答者として参加してみてはいかがだろうか?