若槻千夏さんの発言について、教員の元カレが思うこと

はじめに

はじめまして。

この記事の作者の、月岡彦穂と申します。

 

若槻千夏さんの発言が話題になっている。

「教員は18時以降も生徒保護者の対応をすべき」

と言って叩かれている。

 

「残業を強制するな!」

「自分の子供くらい親が見ておけ!」

「教員がどれだけ大変か知らないのか!」

 

ボクは、若槻千夏さんを叩く気にはあまりなれない。

むしろ、彼女を徹底的に叩きのめそうとする「世間の感覚」の方が心配だ。

 

世間の意見と、自分の意見

世相、という言葉が嫌いだ。

思うに、世相とは決して「大衆の意見」ではなく「ある個人の意見」に過ぎない。

発言力があり、説得力もある誰かに、流されて同調している有象無象。それが「世相」の正体だと思う。

 

例えば、「教員はハードな仕事で残業も多く、人手も足りない。もう限界だ」という意見を、「全市民」が持っているという考え方は無理がある。

過半数を占めているかどうかすら怪しい、と、ボクはドライに睨んでいる。我々が騒いでいるほど、世間的にメジャーな問題ではないのではないか?よく分かってない人の方が圧倒的多数なのではないか?駅前で100人にインタビューをしたら「教員?今のまま頑張ってほしいですねえ」という人だらけ、という展開は十分にあり得るはずだ。

 

若槻千夏さんの発言は、たぶん世間の意見に近い

だから若槻千夏さんの感覚は、決しておかしなものではない。

彼女が狂っているとか、過激派だとか、そういう話では無い。駅前インタビューでそう言う人が表れました、それがたまたま芸能人でした、というだけだ。

若槻千夏さんは教員の働き方について何時間も熟考してから発言したわけではないし、「え?それってこうじゃないの?」と、直感と経験から出てくる素朴な意見を零したに過ぎない…だろうと、予想される。

(影響力のある芸能人がそんなことでいいのか、という視点は、この記事に書きたい本質ではないので脇によけておきましよう···)

もちろん、間違っているとは思うけれども

一応断っておくと、ボク自身は若槻千夏さんの考え方には1mmも賛同できない。

だから若槻千夏さんを擁護する気はまったくない。ないのだけれど、

 

「若槻千夏がおかしなことを言っているぞ!」

「モンスターペアレント予備軍め!」

「この場で叩き倒せ!」

 

という雰囲気には…

正直、寒気を感じる。

 

若槻千夏は悪だ、という「世相」を、みんな「自分の意見」だと勘違いしてやいないだろうか。

 

教員の働き方に興味を持ったこともないのに、今回のことであたかも「私もそれは間題だと思ってました」みたいな顔をして、彼女を叩いてストレスを発散している人間が、あの有象無象の中にたくさんいるのではないだろうか。

これは、ただの妄想かもしれない。

でも、もしそうだとしたら、それほど恐ろしい話はないと思うのだ。

 

テレビでやってたんだけどさ、

先日、テレビで選挙の特集をやっていた。

「投票率1位と47位の都道府県で街頭インタビュー」という企画だ。

 

県によって、こんなにも意識に差があるんだよ、投票率の悪い県のみんな、ちゃんと選挙行こうね、という趣旨の企画なのたろうが、そのやり方について、ボクは、おや?と思う場面があった。

 

企画の概要はこうだ。

 

まずは投票率47位の県に行き、「投票しなかった人」にインタビューをする。県民からは、

「誰が選ばれても変わらない」

「わざわざ時間を割きたくない」

「そもそも政治に興味がない」

などの、様々な意見が飛び出す。

 

次に投票率1位の県に行き、今度は「投票した人」にインタビューをする。すると今度は、さっきとは真逆の意見が次々と飛び出す。

「文句があるなら選挙に行かなくちゃ」

「投票は大人として当然のこと」

「このままじゃ日本はダメなんだ!」

視聴者はそれらを見て「47位の県民はひでえなあ」と嘆く。「このままじゃ○○県はダメなんだ!」

 

え、

ちょっと待ってくれよ、とボクは思った。

 

それは情報操作ではないか?

 

 

情報の正確さとは?

例えば、両方の県で同じ「投票しなかった人」にインタビューするなら分かる。

 

その結果、投票率1位の県ではー人暮らし率が高く、「住民票を移していないから、行きたくても行けない」のが行かない理由の大半だったのに対し、47位の県では単純に政治参加への意欲が低く、「面倒くさいから」が理由の大半でした。

 

ヘえー、同じ行かなかった人でも、1位と47位では全然理由が違うんだ。やっぱり、県民性ってあるんだねえ。

 

それなら、正しい報道と言える。

 

でも今回のやり方には、明確な悪意があるように思える。

 

1位の県と47位の県で、インタビューしている「対象」が違う。

 

1位の県では「投票した人」に、47人の県では「投票しなかった人」にインタビューをしている。

これでは県民性も何も関係ない。ためしに、逆に、1位の県で「投票しなかった人」に、47位の県で「投票した人」にインタビューしてみるといい。そうしたら今度は、1位の県からは情けない言葉が、47位の県からはありがたい言葉が飛び出すに違いない。

 

人は簡単に騙される

若槻千夏さんの件と、テレビの企画の件。

両者に共通するのは、

 

「人の感覚は操作されやすい」

 

ということではないか?

 

「一流の詐欺師は、騙されたことにすら気づかせない」とはよく言ったもので、一流のSNSやテレビ番組は、我々の感覚をいとも簡単に操り、「操られていること」には、決して気づかせない。

世間に蔓延る、大いなる情報の流れ。それに惑わされてはいけない。

情報の真偽と価値を自らで判断できなければ、ボクらはいとも簡単に、誰かの掌で踊り続けることになる。

 

ボクらは情報に対してどうあるべきか?

若槻千夏さんを叩いている人間の、いったい何%が、自らの意志で叩いているのだろうか。

ボクは若槻千夏さんを叩くことよりも、「教員の働き方は問題だらけなのだ」という現実を、なんらかのツールを用いて世間に正しく発信する方が、大事に思えてならない。

残念ながら、「これでいいじゃん、人が炎上しているのを見るのは楽しいもん。もっとやれ〜」という愉快犯的な人間は、一定数存在する。これはもう、認めざるを得ない。大抵の人間にとって、人の不幸は蜜の味なのだ。

 

しかし、最近の情報量とバッシングブームに、どこか辟易しているそこのあなた。

あなたくらいは、世相に流されず、自分の意見を持ってみてほしいな。···なーんて、偉そうなことを書いてみたいお年頃なのでしたっ!おわり!

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