エッセイ

世間知らずと洗濯機

わたくし24になるまで、洗濯機は永久機関だと思っていた。

買ったら死ぬまで、手入れなしで使えると思っていた。実家で「洗濯機を掃除しているところ」なんて見たことがなかったし、そもそも洗濯機はキレイにされるものじゃなくて、キレイにするものだろうが。

しかしまぁ、冷静に考えてみれば、ボクが学校に行っている間に親が掃除していたに違いないし、「キレイにするもの」の代表格である掃除機は、定期的に掃除するじゃないか。何をどう考えたって、洗濯機は掃除されるべきだったのだ。

 

「送風機能」も「内部クリーン」も、恐る恐る使ってみた。排水溝をしゃこしゃこと歯ブラシで磨き、糸くずフィルターを空っぽにし、10円玉ほどの固形洗剤を洗濯槽に投げ入れて、ボタンを押し、待つ。

すると数時間後には、磨きたてのプールの匂いがした。塩素の匂いだ。滅菌後の洗濯機からは、微かに塩素の匂いがする。ボクにとって、塩素はキレイの匂いだ。ピカピカの洗濯槽は、指で擦るとキュッキュと音がした。

これからは定期的に掃除しようという思い半分。残り半分の「今までの洗濯はもしかして」という思いは、丸めて洗濯機に投げ入れた。次の掃除で滅菌するつもりだ。

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