2019年9月20日。リアムギャラガーのアルバム「Why Me? Why Not.」がリリースされた。
サブスクで聴けたので、早速ダウンロード。便利な世の中だ。
先行公開されていたシングル「Shockwave」や、
ビッグスケールの王道ロック「The River」
などなど。14曲入り52分のアルバムになっていた。
まず特筆すべきは、なんと1曲平均4分以下!オアシスの楽曲よりも圧倒的に尺が短い。そのスピード感が実に現代的で素晴らしかった。
前作「As You Were」も尺は短かったし、オアシスの「All Around The World(1997年)」みたいな9分越えのバラードは、飽きっぽい現代人には聴いてもらえないのかもね…それはそれですごく好きなんだけど、今作も前作同様、きちんと時代にフィットした曲になっていて感動。
また、音が素晴らしい。前作「As You Were」よりも少し80年代よりの音作りになったかな?という印象。ボーカルのリバーブ深めの、音源作品よりかはライブを意識した仕上がりになっている。個人的な感想としては、「Whe Me? Why Not.」は前作よりもトラディショナルな楽曲が多いので、80年代風のミックスが非常に合う。
ただ、1曲目「Shockwave」の出だしのギターサウンドなんかはかなりモダンな音作りがなされており、ただただ昔風の作品ではなく、現代のエッセンスも交えたハイブリットな作品になっているのがポイントだ。音圧はしっかりあるのに耳に痛くないし、楽器の音が大きいのにボーカルはクリアに聴こえるし…。
うだうだと色々書いてきたけれど、何が言いたかったかと言うと「音が良い」それだけだ。ほんと最近の海外のミックスマスタリング大好き。
そしてYouTubeで聴けない楽曲も大粒揃いだ。ビートルズを彷彿とさせる「Halo」や、リアムギャラガーの貴重な裏声が聴ける、タイトル曲の「Why Me? Why Not.」。紛れもない傑作だ。
前作の「Greedy Soul」と「Doesn't Have To Be Thet Way」の融合を感じた「Be Still」は爆音で聴いて頭を振りたいし、ブルージーなリフが印象的な「Gone」は夜中に酒を飲みながら浸りたい。
中でもボクのお気に入りは最後の曲「Glimmer」。陽気なシャッフルリズムの、牧歌的な、映画のエンディングのような曲。こういう曲って、ソロではなかったよね?誰が書いたんだろうこれ。歪んでいるのにクリアなリアムギャラガーの声とこの曲調は、異常なまでに合う。もっと早く気付くべきだったよこの化学反応は…。こういう曲、もっと聴きたいなァと思ったし、この曲を最後に持ってくるアルバムの流れはやっぱり最高。
全体的な印象としては、ビートルズの楽曲をリアムギャラガーの歌声と高品質な音で現代風にアップデートしたアルバム。
そんなのもう、良くない訳がない!!!
声の調子も絶好調。リアムギャラガーは素敵な歳の取り方してるなァと思います。まだ見ぬ3作目にも期待大です。